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案の定この初日の昼飯でソフィー料理長がこさえてくれたバスケットを空にした3人は、そのままルカダンで夜の分の買い出しをし、 エマが馬を回してきたところからの出発であった。会計時にようやく金貨の枚数を確認したセシリスは、伝書士の同行分の謝礼も しっかり入っていたことで安心した。
しかし、その買い出しの量は熾烈を極めた。
エマのバスケットはさらに一回り大きく、そのバスケットの蓋がぎりぎり留まるまで買い続けたのである。 自分達の分も含めると金貨が2枚も飛んでいた。
宿をかっ飛ばすか、自分が途中途中で獲物を狩っていかないと、途中で路銀が尽きかねない状況だ。 エマが馬を伝書士協会の厩に取りにいっている間に、非常用の香辛料を買い足したセシリスは嘆息した。
「お待たせでする!」
旅慣れたこの伝書士が引いてきた馬は、少し背が低く太い足を持ち、この地方では見かけない馬体だった。
積んである荷物の量も凄まじく、あの重量を見ればこういう馬でないとへばって仕方ないだろうと魔物の二人は思った。
伝書士が颯爽とまたがったその姿は、駆動装置のついた小さい城塞のようである。
結局昼過ぎという遅い出立になってしまったため、時間を気にしたセシリスは急ぎの旅である旨を伝書士に伝えた。
頷いたエマはてへへと笑い
「実は私もなんでするよ。今日は野宿で出来るところまで行くでする。」
と、快い返答が返ってきた。
その言葉に吹き出したセシリスは、ヘレナが馬の背に飛び乗るのを確認すると彼も馬上に上がったのである。


馬上の3人は街道を使い王都へと向かった。
このバクシオン大陸にある大きな街道は、中心にあたる王都から各方面へ伸びている。北にあるアレキサンドリア方面と、 東方に広がる地方自治領であるホウライ方面、また未